私は川上弘美のエッセイが好きなので、2月に『なんとなくな日々』が文庫化されるのが嬉しいです♪

川上弘美のエッセイで特に好きなのが、この『あるようなないような』です。日常についてのエッセイも面白いのですが、私は、やはり読書エッセイが好きです。この『あるようなないような』で川上さんの好きな本として紹介されている武田百合子の『富士日記』は、私も好きです。

川上さんの場合は小説のみならず漫画も読まれるようで、そういう部分にちょっと親近感を覚えたりもします。そうそう、藤沢周平の『用心棒日月抄』の感想(コチラ)でも少し触れましたが、藤沢周平好きというところにもさらに親近感を覚えました。

でも、私がこの本の中で思わずじーんとしてしまったのは、読書エッセイではなく『晴れますように』というエッセイでした。ページ数わずか2ページの短いエッセイです。

タクシーに乗った川上さん。いいことのない日で、若いタクシー運転手が信号待ちの時に、携帯電話で話しているその会話が耳に入る。どうやらお菓子を買ってきて欲しいと誰かに頼まれている様子。恋人だとしたら、甘ったれた恋人だ、などと少しいらいらする川上さん(笑)。
しかし、電話の相手は明日遠足に行く運転手の娘だと分かる。しばらく身の上話を聞くと最後に運転手が「苦労も多かったです。でもまあ好きなことしてるんだからいいです」とぽつりと言った。その一言にはっとした川上さん。最後は、走り去るタクシーを見送りながら、明日、晴れますようにと思う・・・という本当に短いエッセイなのですが、なぜかじーんときました。

とにかく色んなエッセイがつまったエッセイ集で、折に触れて読み返す本です。

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