ローレンス・ブロックのマット・スカダーシリーズ第二弾『冬を怖れた女』。第一弾の『過去からの弔鐘』の感想(コチラ)で、渋いスカダーと、作品に漂う暗さが好きだと書きましたが、この『冬を怖れた女』では、そのスカダーの渋さが薄れて、甘くなっちゃってます。ある女性に一目惚れしてしまうんです。しかも、都合よく相手もスカダーに会った瞬間に惹かれているという状況。
悪くはないのですが、もうちょっとクールなスカダーでいて欲しかったです。

さて、今回は娼婦が殺害されます。容疑者として逮捕されたのは現役刑事のブロードフィールド。このブロードフィールドが殺害された娼婦ポーシャ・カーをゆすっていたというニュースで騒がれていた最中に起きた事件。
しかも、ポーシャの死体が発見されたのは、ブロードフィールドが借りていたアパートの一室。警察はブロードフィールドを犯人と信じて疑わなかった、というよりは犯人にしたがっていた。そして、大半の刑事は彼を刑務所にぶち込みたいと思っていた。
なぜならブロードフィールドは警察の仲間を裏切るような行動を取っていたから・・・。

というわけで、完全不利な状況に陥ったブロードフィールドに助けを求められて、スカダーは真犯人を見つけようと調査を開始します。

事件の真相は前作ほど意外でもなく、あまりハラハラするような展開ではありませんでした。

訳者あとがきに、「最も気になるには、スカダーがけっこう本気で恋などをしているところだろう」、「歴然と恋をしているのは本篇だけである」、「その恋のために酒をやめようかとまで思うのだから、これはほんものである」などというように、スカダーの恋について書いてあります。
私は、マット・スカダーシリーズはこれで二作目なので、スカダーのことはまだよく分かっていません。ですが、訳者の方がそう書かれるのだから、この作品中のスカダーの恋はよっぽど異例な出来事なのでしょう。
正直いって、この作品はミステリーもしくはハードボイルドとしてはいまいちでした。でも、シリーズものですから、スカダーに関するひとつのエピソードとして読んだと思えばいいかなと思います。

次回は渋いハードボイルド路線に戻っていますように。

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