ロス・マクドナルドの名前を知ったのは、村上春樹の『象工場のハッピーエンド』の中でだったと思います。ちょうど私が村上春樹にどっぷりハマっていた時で、村上春樹が好きだというロス・マクドナルドのリュウ・アーチャーものを是非読んでみたいと思って、あれこれ調べたところ、様々なミステリーガイドブックなどでも紹介されていた『さむけ』が一番面白そうだったので、早速読んでみることに。

普段はシリーズものだと、まずは第一作目から読み始めるのですが、残念ながら絶版になっているものが多かったので・・・。

シリーズものとはいえ、『さむけ』だけ読んでも全く問題なく楽しめました。

私立探偵のリュウ・アーチャーは、アレックスという青年に、新婚旅行の最中に姿を消した妻ドリーを探す手助けをして欲しいと頼まれる。ドリーの居場所を突き止めるたアーチャーだが、ドリーは偽名を使って大学に通っていた。そして、もうアレックスのもとに戻る気はないとアーチャーを追い返すのだった。

再び、ドリーを訪ねたアーチャーが目にしたものは、裂けたブラウスに髪をふりみだし、両手に血をつけたまま泣き叫ぶ彼女の姿だった。ドリーが言うには、彼女の大学の教授ヘレンが死んだのだという。さらにヘレンが死んだのは自分のせいだとも・・・。

犯人についてはもちろん一切書けませんが、私は最後の最後まで分かりませんでした。いや、犯人が分かったとしても、殺人を犯したその理由まで分かった人というはなかなかいないのではないでしょうか。

その理由を知った時、まさに「さむけ」におそわれます。

アーチャーは地道に調査をすすめ、一歩ずつ事件の真相に近づいていきます。わりと淡々とした語り口なのに、退屈ではなく、むしろその静けさにゾクゾクしました。

それにしても、ラストには本当に驚かされました。『ウィチャリー家の女』も今度読んでみようかな。

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