『キッチン』を読むとカツ丼を食べたくなる・・・そんな感想をあちこちで目にしていたけれど、中学生の時に一度『キッチン』を読んでいた私にはカツ丼がどこで登場したのかすら覚えていませんでした。

『アムリタ』を読んで、「よしもとばなな面白いかも」と思って次に再読したのが『キッチン』。こんな話だったんだ。すっかり内容を忘れていました。

私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。


という一文で始まる『キッチン』。主人公の桜井みかげの両親は早くに亡くなっており、みかげは祖父母と暮らしていたのだが、中学へ上がる頃に祖父が亡くなり、祖母と二人暮らしに。そして、その祖母も先日亡くなり、大学生のみかげは一人になってしまった。以来みかげは台所の冷蔵庫のわきで眠るようになっていた。

そんなみかげに同じ大学の学生田辺雄一は「しばらくうちに来ませんか。」と言う。雄一は母親と暮らしているという。みかげは雄一の母親えり子が美人なのに驚いて見とれていたが、雄一に「あの人、男なんだよ。」と言われて、さらに驚くのだった。

そんなこんなで、みかげは雄一とえり子さんの住むマンションで一緒に暮らすようになります。雄一もえり子さんも、優しくて温かくて、とても魅力的な人物。みかげは、田辺家に自分の居場所を見つけます。

『キッチン』には、『キッチン』、『満月-キッチン2』、『ムーンライト・シャドウ』の3編が収録されています。

カツ丼が出てくるのは、『満月-キッチン2』。『キッチン』のその後のみかげと雄一の話。二人はとても大切な人を失ってしまい、深く落ち込んでいます。みかげは、夜中に入ったカウンターだけのめし屋で頼んだカツ丼があまりに美味しくて、それをどうしても雄一にも食べさせたくて、タクシーを飛ばして雄一が泊まっている旅館までカツ丼を持って行くのです。

確かに、カツ丼食べたくなりました。すっごく美味しいものを食べて、それを食べさせたいと思う人がいるっていうのはいいことだなぁとしみじみ思いました。

事故で恋人を亡くしたさつきが、うららという女性に出会うちょっと不思議な話の『ムーンライト・シャドウ』も好きです。



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