長嶋有と同じく私が最近になって好きになった作家が絲山秋子。『イッツ・オンリー・トーク』、『海の仙人』、『袋小路の男』のどれもが私の好きな小説。

そして、特に好きなのがこの『逃亡くそたわけ』。

ある出来事から精神病院に入院させられた「あたし」、花ちゃんが病院からの脱走を決意。それに強引に付き合わされるちょっと気弱な名古屋出身の「なごやん」との車での九州縦断を描いた小説なのですが、とにかくこの2人の旅(逃亡?)の様子が面白い。

福岡からスタートし大分、熊本、宮崎を経て最後は鹿児島まで行くのだけれど、逃亡と言いつつもまるで観光旅行かのようにその土地土地で様々な名所を巡っていたりします。

九州に住んでいる私はそのほとんどの場所を知っているため、もう面白さが倍増。中にはかなり詳しく知っている場所も出てきて読みながら「あ、あの場所出てる!ここも出てる!」って、なんだかまるで自分のことが紹介されているかのように嬉しくなりました。

あと、この『逃亡くそたわけ』の魅力は何と言っても花ちゃんの博多弁。

「ねえ、前から聞きたかったったい。なして名古屋弁で喋らんと?」


「ばりうま!高級じゃなかばってん、懐かしい味のするっちゃんね」


「はー、ゆたーとするごたね」


花ちゃんのキャラクターには標準語よりも博多弁の方がピッタリ合ってるっていう気がします。

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ちなみに映画化されているんですよね。吉沢悠がなごやんってイイかも。

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