村上春樹の『風の歌を聴け』。村上春樹のデビュー作であり、いわゆる“青春三部作”と言われる作品のひとつ。

私は、“青春三部作”と言われている『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険』はどれも好きです。

「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」


こんな出だしで始まる『風の歌を聴け』。この話は1970年の8月8日に始まり、18日後の8月26日に終ります。

主人公の“僕”と友人の“鼠”は大学生。僕は本ばかり読み、鼠はビールばかり飲む。
まず、僕が読むさまざまな小説のタイトルや色々な音楽のタイトルが出てくるのが面白いです。と言っても、僕が読む小説はほとんど私の知らない海外作家のものばかりだし、音楽も知っていたのはビーチ・ボーイズの名前くらい。

私が村上春樹の小説あるいはエッセイを読む楽しみのひとつは、色々な小説や音楽あるいは映画のタイトルが出てくるところだったりします。その点この『風の歌を聴け』には短い小説だけど、たくさんの小説や音楽が登場するところが気に入っています。

僕と鼠は、なじみのバー、「ジェイズ・バー」でビールを飲みながら色々な話をする。僕はドライで、鼠はどこかしら影があるようなキャラクター。二人の会話には意味があるようでないような、分かったようで分からないようなところがあるのですが、私はそんな二人のやり取りが嫌いではありません。

もちろん、僕と鼠はいつも男二人でいるわけではなく、ガール・フレンドとの話もあります。

ちょっとキザな台詞が多かったりしますが、それが村上春樹テイスト。村上春樹の小説を読み始めた頃はこのキザっぽい雰囲気が若干苦手でしたが、今ではむしろこの独特な雰囲気が好きです。

あっという間に読み終わってしまうほど短い一夏の物語ではありますが、読後には爽やかな余韻が残ります。

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村上 春樹
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