10月27日から11月9日の2週間は読書週間ですね。私は読書週間だからといっていつもよりたくさん本を読むとかいう訳ではないのですが、ただ、経済関連本以外の本は読まない夫にはせめて小説とかエッセイを読んで欲しいなぁと思ったりします。

と言うのも、もともと私が読書好きになったのは夫が本を読んでいたからなのです。大学生の頃、当時付き合っていた夫のアパートに遊びに行った時、なぜかキッチンの流しの下に小説が並んでいたのです(笑)。そこには夫が好きだった沢木耕太郎の文庫本もありました。私が沢木耕太郎の本を読むようになったキッカケでもあります。

まあ、そんな訳でたまには本を読んでその感想とか言い合えたら嬉しいと思いつつも、そもそも読書なんて無理強いするものでもないし。ところが、先日1泊で温泉旅行に出掛けた時、私はいつものように読む読まないは別にして持っていく本を選んでいたのですが、珍しく夫の方から「何か本貸して」と言ってきたんです。「薄いやつね」とも言い足されましたけど。

前置きが長くなりましたが、そこで貸したのが村上春樹のエッセイ『村上朝日堂 はいほー!』でした。村上朝日堂の中でも1番薄いですからね。

旅館について何をするでもなく、温泉に入って美味しい夕食をいただいて部屋でのんびり過ごしていました。私は読みかけだった『レボリューション No.3』を読みながらちょっと涙ぐんだりしていたのですが、『村上朝日堂 はいほー!』を読んでいた夫がいきなり声を出して笑ったのです。

確かに面白いけど、声を出して笑うほどだったかな?と不思議に思ったので一体どこがそんなに面白いの?と聞いてみると、『サーヴィス業あれこれ』というタイトルのエッセイの冒頭の部分で、作家になる前に飲食店のようなものを七、八年経営していた村上春樹氏が今でも喫茶店や飲み屋、レストランのようなところに入るとどうしても働いている人たちに注意がいってしまうとあり、さらに店をやめた当座は他の客が帰るとつい「ありがとうございました!」と言っちゃいそうで気が気でなかったという部分だったらしいのです。

え?それのどこが面白いの?と思われるかもしれませんが、それには理由があるのです。

実は、私は大学生の時、コンビニでアルバイトをしていました。それで、自動ドアが開いてお客さんが店に入る時のあの「ピンポーン」という音がする度に、「いらっしゃいませ!」と言っていたのです。
ある日、アルバイトを終えた後、夫と一緒に当時よく行ってた大学の近くの定食屋さんに夕食を食べに行きました。食事が運ばれるまでの間、何となくボーッとしていたのですが、その定食屋さんのドアが開いてお客さんが入ってきて、ドアについていた鈴がチリンチリンという音をたてた時、私は反射的に「いらっしゃいませ!」と言ってしまったのです。明らかに店のテーブルの席についている客なのに・・・。

それからしばらくはそれをネタに夫にからかわれ続けました。夫は、『村上朝日堂 はいほー!』のそのエッセイを読んで、その時の事を思い出して笑ったのでした。まあ、久しぶりの読書で夫にそんなに笑ってもらえて良かったですけど…。

ところで、『サーヴィス業あれこれ』を“サービス業”と書かないあたりが村上春樹っぽいですよね。

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