宮本輝は、私の好きな作家の一人です。特に初期の作品が好きなのですが、その中でも一番好きなのが『優駿』です。今までに何度も読み返しているのですが、特に天高く馬肥ゆる秋になると、『優駿』を読みたくなります。

この『優駿』の文庫本は今から10年前、私が大学生の時に買ったものです。今でも表紙は変わっていないのでしょうか?
最初に『優駿』を読もうと思ったのは、ただ単に、この小説が競馬(というよりは競走馬)を扱ったものだったからです。映画化されたというのは知っていました。確か、昔、とんねるずの番組でパロディを見た覚えがあったので。

とにかく競馬好きだった私は、競馬に関する本を読みたいと思い、小説ならまずはこれだろうと思って軽い気持ちで『優駿』を読んでみることにしたのですが、これが面白い、面白い。すっかり夢中になって、上下巻一気に読んでしまいました。

『優駿』は、トカイファームという北海道の小さな牧場で誕生した“オラシオン”というサラブレッドを取り巻く人々の物語です。

トカイファームの渡海千造、息子の博正、オラシオンの馬主和具平八郎、娘久美子、和具の秘書多田、そして、平八郎の息子で、久美子にとっては腹違いの弟となる誠。それぞれが、ターフを駆けるオラシオンの姿に何かを託しています。それは、夢だったり、あるいは、病気の弟の快復への祈りだったり。

私は、そもそも競馬がテーマだと思って読んだのですが、『優駿』は、決して競馬小説ではありません。家族、親子の絆、淡い恋心など様々な人間模様が描かれた小説です。ですから、競馬を知らない、興味がないという人が読んでも十分楽しめます。

文庫下巻のあとがきにありますが、宮本輝さんは、『優駿』の執筆に際して、調教師、騎手、厩務員、馬産家、さらには社台ファームの故・吉田善哉氏、照哉氏、勝己氏など多くの競馬関係者を取材されたようです。競馬に関する細かい部分が丁寧に描かれているので、そういう点では、競馬を知っているとさらに楽しめます。

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小説を読んでから映画も観ました。渡海千造を緒形拳、博正を緒形直人が演じ、親子で親子役を演じています。

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