村上春樹はこういう作品も書くんですね。全作品を読んだ訳ではないのであまり偉そうな事は言えませんが、私が今まで読んだ作品にはちょっとダークな部分があったとしても作品のそこかしこにふんわりソフトな雰囲気が漂っているように感じたのですが、この『アフターダーク』は飾り気がないというか、シンプルでリアリティがあってダーク。

他の春樹作品だと自分と同じ現実の世界というよりはどこか別の世界の出来事のように感じられたのですが、この作品は本当に自分が今いるこの世界での出来事のように感じました。

主にマリと姉のエリの姿を交互に描きながらストーリーが展開していくのですが、こういう同時進行的手法は私は伊坂幸太郎作品ですっかりおなじみなので特に新鮮さを覚えるわけではなかったです。むしろエリは部屋の中で眠り続けているという設定で動きがないだけに私はエリのパートはちょっぴり退屈に感じてしまいました。マリのパートが“動”、エリのパートは“静”という感じでしょうか。

あと、もうひとつ気になったのがカオル、コオロギ、コムギの言葉遣い。無理に若者らしさを出そうとしているのか、何か微妙な感じがするんですよね。それとちょっと笑っちゃいそうになったのは白川と妻の電話での会話。「実はペーストしてクリックしたんだ」って(笑)

『アフターダーク』でも他の村上作品同様色んな場面で様々な音楽が流れていて、その辺りはやっぱり村上作品だなぁと思いました。

何だかあれこれ気になるところばかり書いてしまった気もしますが、私はこの『アフターダーク』好きです。

アフターダーク (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
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