表題作『タンノイのエジンバラ』の他、『夜のあぐら』、『バルセロナの印象』、『三十歳』を収録した作品集。

長嶋有の小説は私にとってはどれもこれもハズレがなく、全部アタリと言ってもいいくらい好きな作品ばかり。1番は以前書いた通り『ジャージの二人』なのですが、その他の作品もかなり気に入っています。どの作品もガツン☆という即効性はないけど後からじわじわ~っと効いてくる、そんな感じなんです。

表題作『タンノイのエジンバラ』での主人公と小学生の女の子との会話などは、大人と子供というよりは大人同士もしくは子供同士みたいな感じで、変に子供を子供扱いしていないというか、同等の扱いをしている所が私は好きですね。これは『猛スピードで母は』や『サイドカーに犬』などでもそうでした。それによって、子供が登場する作品であっても子供向けになってしまわないという気がするんです。
あと『夜のあぐら』は3人の姉弟がある目的の為に夜中に自分たちの父親の家に忍び込むというストーリーなのだけれど、この3人の姉弟の関係も私は好きだなぁ。くっつきすぎず離れすぎない絶妙な距離感で。これは『ジャージの二人』の親子にも言えることかな。
私が長嶋有の小説を好きなのは、作品全体を好きなのはもちろんの事、人と人との描き方がベタベタしすぎずかといって決して冷え切っておらず、互いへの想いを感じることは出来るというサッパリしていて丁度いい感じなのが読んでて心地いいからなのかも。

ラストの『三十歳』は他の3作品と違って、しんみりと後引く余韻のようなものがあって、これまたいいです。

それにしても『タンノイのエジンバラ』って読む前は一体何の事だろう?って思いましたよ。

タンノイのエジンバラ (文春文庫 (な47-2))
長嶋 有
文芸春秋
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