私はこの『ラッシュライフ』のおかげで伊坂幸太郎の作品の魅力というものを知りました。

この作品にはとにかくたくさんの登場人物が出てくるんですが、全く接点のなかった彼らがお互いにはそれとは気付かないくらいのほんのささやかな係わり合いを持ったりしながらも、それぞれのストーリーが展開していく、その面白さにもうどっぷりはまりました。

どの人物もかなりハラハラするような危機的状況に置かれていたりするのですが、次どうなるの?っていう場面でじらすように別の人物の視点からの場面に変わったりして。最後まで一気読みでした。

伊坂作品を読んでいると必ずと言っていいほどすごく魅力的で好きになる登場人物と、心底嫌いになるような登場人物が出てきます。この『ラッシュライフ』でもそう。嫌いな(というか怖い)方はさておき、好きなのはやっぱり黒澤です。

「行き詰まっているとおまえが思い込んでいただけだよ。人ってのはみんなそうだな。例えば、砂漠に白線を引いて、その上を一歩も踏み外さないように怯えて歩いているだけなんだ。周りは砂漠だぜ、縦横無尽に歩けるのに、ラインを踏み外したら死んでしまうと勝手に思い込んでいる」


これは黒澤のセリフ。私は単純なのでこういうセリフにやられちゃいますね。

それから最後の最後で豊田が最高にかっこいい!もうこの豊田のシーンにはスカッとしましたね。いいぞ豊田!と心の中で喝采を送りました。

ちょっと怖かったり、どす黒いような場面も多いのですが、ラストシーンがいいので私は読後感もよくて好きです。とりあえず2回は読んだし、この先もまた読み返すだろうお気に入りの作品です。

ラッシュライフ (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
新潮社
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