初めて宮部みゆきの小説を読んだ時は、その面白さに衝撃を受けました。

初めて読んだ宮部作品は確か『レベル7』だったと思います。こんな面白い小説を書く作家の作品を今まで読んでこなかったなんて!と思って慌てて過去の作品も読み漁りました。もちろん今でも新刊が楽しみな作家の一人。現代小説、時代小説どちらも大好きです。

宮部みゆきの数ある現代小説の中で、私が1番好きなのは『クロスファイア』。主人公の青木淳子は特殊な能力、念力放火能力(パイロキネシス)の持ち主という設定。たまたま目撃した殺人事件の被害者に仇をとってあげると約束し、逃げた犯人を追う。

自分の特殊能力を周囲に隠し続けひっそりと暮らしてきた淳子が、それまで持て余していた力を解き放つかのように使い始めた時、淳子の中の何かが変わったんだと思います。いくら相手が悪人だとはいえ、淳子が能力を使って彼らを倒す時の冷酷さは、どちらが「正義」でどちらが「悪」なのか一瞬分からなくなるくらい。そして自分を信じて突っ走る淳子の気持ちも徐々に揺らぎ始める・・・こういう人間らしい心情がきちんと描かれていて、なおかつ淳子を追う石津ちか子刑事のような温かみのある登場人物の存在があるからこそ、どんなに残忍な犯人が出てこようと悲惨な事件が起きようとも宮部みゆきの小説はただ暗くて後味の悪いものにはなってしまわないんだろうなぁと私は思います。だからこの『クロスファイア』も何度か読み返しています。

ちなみに石津刑事は他の宮部作品にも登場してます。





私は淳子が登場する中篇『燔祭』が収録された『鳩笛草』を読んでから『クロスファイア』を読んだので、より楽しめましたが、もちろん読んでいなくたって楽しめます。



この『クロスファイア』を読んでからスティーヴン・キングの『ファイアスターター』も読みましたが、そちらも面白かったです。どっちが好きかと言われたら私は『クロスファイア』の方ですけど。



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