有川浩の図書館戦争シリーズが文庫化されたら是非読んでみたいと思っているので、とりあえず文庫化を待つ間、有川浩作品の入門として、文庫化されている作品を読んでみることに。

海の底 (角川文庫)

そこで、自衛隊三部作と呼ばれている三作品の中から、ざっとあらすじを読んで面白そうだった『海の底』を選びました。

米軍横須賀基地で行われる桜祭りには多くの人々が訪れていた。そこに現れたのが、ザリガニをメートル級にしたような巨大な甲殻類。巨大ザリガニは逃げ惑う人々に容赦なく襲いかかる・・・と、序盤から度肝を抜かれる展開。

事前に大まかなあらすじを知ってはいたのですが、いざ、無数の巨大ザリガニがハサミを振り回して暴れまわっている様子などを読むと、あまりの現実味のなさに、最初は、なかなかストーリーに入り込めませんでした。

『海の底』はふたつの舞台を中心に物語が展開していきます。

ひとつは、米軍横須賀基地内の潜水艦埠頭に停泊している海上自衛隊の潜水艦『きりしお』艦内。巨大ザリガニに囲まれたきりしおの艦内に取り残されているのは、海上自衛隊の夏木三尉と冬原三尉、それに町内会のイベントで桜祭りにやって来ていた子供たち。救助を待つ間に艦内で繰り広げられる様々な出来事が描かれています。

そして、もうひとつの舞台は、たくさんの巨大ザリガニが歩き回る横須賀の街。巨大ザリガニから市民を守るために、警察の機動隊が出動するのですが、警察の装備では巨大ザリガニを一掃するまではいかず、苦戦を強いられます。自衛隊が出動してくれれば・・・、しかし、複雑な法的制度ではそう簡単にいかない。明石警部と烏丸警視正は、何とか上が速やかに自衛隊の出動を許可するよう考えをめぐらす。

これらふたつの場面が交互に描かれています。外で巨大ザリガニと戦う機動隊も熱くかっこいいのですが、私は、きりしお艦内を舞台に繰り広げられる子供同士の衝突や、淡い恋の方が面白かったです。

図書館シリーズは甘~い恋が描かれているのがいいという評判をあちこちで目にしますが、この『海の底』でも、思わずキュンとしてしまう甘ずっぱい恋が描かれています。
それは夏木と、弟の付き添いで桜祭りに来ていた高校三年生の森生望の二人。夏木は最初は望を完全に子供扱いしているのですが、その態度がちょっとずつ変化していくところが、いいんです。
私の場合、最終的には巨大ザリガニよりも、恋の行方の方が気になってしまいました(笑)
最近こういうベタな恋愛が描かれた小説を読んでいないので、新鮮でした。ラストもベタだけど、すごく良かったです♪

夏木と望のその後を描いた短篇が『クジラの彼』という作品集に収録されているようです。二人のその後が気になるのですごく読みたいのですが、まだ文庫になっていません・・・。

夏木や冬原、望や望の弟の翔、望と翔を目の敵にしている中学生の圭介、明石警部と烏丸警視正など登場人物の人数は多いのですが、それぞれのキャラクターがしっかりと出来ているおかげで500ページを超える長篇でも最後まで飽きずに読むことが出来ました。

私は、最初はこの小説の世界になかなか入り込めませんでしたが、一度入り込んでしまってからはラストまで一気読みでした!

海の底 (角川文庫)海の底 (角川文庫)
有川 浩

角川グループパブリッシング
売り上げランキング : 2161

Amazonで詳しく見る
スポンサーリンク
関連記事