これも大好きな長嶋有の小説『パラレル』。同じように主人公が妻に浮気をされてしまう『ジャージの二人』と雰囲気は全然違っていて、ちょっとリアリティーがあって重苦しいところもあるんですが、でも好きなんです。

特に印象に残ったのは風邪をひいた元妻を訪ねた主人公が帰る時「見送りはいいから」と言ったにもかかわらず妻が螺旋階段の手すりから主人公を見送っていたシーン。

「いいから、寝ろってば」怒った声になる。急いで駆け下りる。そんな泣きそうな顔をされても、いいんだ。ただの風邪なんだから、いいんだ。勝手にされたんだから、いいんだ。一周降りる毎に切なさが増す仕組みなのか。


いいと言われて見送ってしまう元妻の気持ちってちょっと分かる気がするなー。このシーンだけじゃないんですが、長嶋有は女性の心情を上手に描いているんですよね。良い所だけじゃなくてずるい所とかも。そこに思わずドキンとしたりするんです。

なべてこの世はラブとジョブ


これは文庫の帯にもあった津田の座右の銘。この小説ではやっぱり津田が1番魅力的だったかな?マイペースで飄々としていて、どこか憎めないキャラクターなんです。

パラレル (文春文庫)
パラレル (文春文庫)
posted with amazlet at 09.02.20
長嶋 有
文藝春秋
売り上げランキング: 168747
スポンサーリンク
関連記事