『プレーンソング』を読んだら当然の流れのように続編にあたる『草の上の朝食』も読みたくなってしまったので、続けてこちらも再読しました。

『プレーンソング』は冬の終わりから夏まででしたが、この『草の上の朝食』は夏の終わりから晩秋までが描かれています。

主人公のぼくの2LDKの部屋には、アキラとよう子、島田の3人が住み続けていて4人の共同生活は変わらず続いています。ただし、ぼくの生活にはちょっとした変化があります。それは、好きな人が出来たこと。ぼくと同じ会社の三谷さんとは相変わらず仕事を抜け出して喫茶店で会っては競馬の話をしていて、その喫茶店でバイトをしている工藤さんという女の人を好きになったのです。その後、食事に誘ったりして恋人のような感じになっていくのですが、そのことによって4人の共同生活に変化が生じるわけでもなく、朝はよう子とアキラと3人で猫にエサを配ってまわって、夜はみんなでどうでもいいようなことを話したりするふわふわとした日常が続いています。

『プレーンソング』から続けて読むと、もうぼくやアキラ、よう子、島田、ゴンタ、石上さん、三谷さんなどはすっかり顔なじみのような感覚になっていて、アキラや島田、三谷さんなんかがおかしな事を言ったりすると、しょうがないなぁなんて気分でクスッと笑ったりしてしまいます。

競馬好きな私が共感したところを一部引用します。

競馬場というのはコース一つをとっても一周二〇〇〇メートルあるくらいで、普通に出入りするどことも比べものにならないくらい広くて、敷地に一歩踏み込むと何かがガラッと変わって胸の中で小さなリズムが弾み出すような気がする。久しぶりの競馬場を歩きながらぼくは自然と頬がゆるんで本来の場所に帰ってきたような気がして・・・


特にこの「敷地に一歩踏み込むと何かがガラッと変わって胸の中で小さなリズムが弾み出すような気がする。」というのはとっても分かります。

起伏の少ないストーリーなのですが、私には退屈ではなくむしろ読んでいて心地のよい小説です。更なる続編出ないかなぁ。

草の上の朝食 (中公文庫)
保坂 和志
中央公論新社
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