村上春樹は長篇も好きだけど、短篇も好き。この『パン屋再襲撃』は初期の短篇集。表題作『パン屋再襲撃』をはじめ、『象の消滅』、『ファミリー・アフェア』、『双子と沈んだ大陸』、『ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界』、『ねじまき鳥と火曜日の女たち』の全六篇を収録。私が好きなのは、表題作『パン屋再襲撃』。僕と妻は六時に軽い夕食をとり、九時半に眠りについ...

銀色夏生の『家族旅行あっちこっち』読みました。フォトエッセイということで、ほとんどが写真で読む部分が少なかったので、あっという間に読み終えてしまいました。じっくり読める本だと思っていたのですが・・・。オーストラリアのケアンズ、宮崎県の都井岬、韓国、金沢の4箇所を家族で旅した際のフォトエッセイ。私は旅行記を読むのが好きなのですが、この本は旅行の内容もあっさりしすぎていて期待していたような面白さはありませ...

横山秀夫の小説を読むのは『クライマーズ・ハイ』に続いて2作目。そして早くも2作目にして、果たしてこの『第三の時効』を超える横山作品があるのだろうかと心配になるほど、最高に面白い小説を読んでしまったという気がしています。じっくり読もうと思ったのに面白すぎて一気に読んでしまいました。『第三の時効』は表題作を含む全六篇の連作短篇集。各短篇で代わる代わるメインをつとめるのは常勝軍団と呼ばれるF県警強行犯の面...

絲山秋子は好きな作家のひとり。芥川賞受賞作『沖で待つ』を文庫化を機にようやく読むことが出来ました。『沖で待つ』には、表題作の他に36歳、現在無職で職安に通う主人公の恭子が、勤労感謝の日に気乗りしないお見合いをする羽目になる『勤労感謝の日』と、文学や政治の世界で活動し、「しいはらたい」という仲間がいる「しいはらぶんたろう」という、ある人物を彷彿とさせる男が主人公の『みなみのしまのぶんたろう』という短篇...

いつものようにアマゾンで買った本が到着しました。2月の新刊文庫からは、文庫化を楽しみにしていた絲山秋子の『沖で待つ』、銀色夏生の『家族旅行あっちこっち』の2冊。その他横山秀夫の『第三の時効』。以上の3冊です。絲山秋子は好きな作家の一人ですが、芥川賞受賞作である『沖で待つ』は未読。よほど単行本を買おうかと思いましたが、結局いつも通り文庫化を待ちました(*´∀`)以前は歩いて行ける距離に大きな図書館があったの...

何度目かの再読。よしもとばななは好きな作家、よく読み返すのは初期の作品が多いです。この『哀しい予感』は特に好きな作品のひとつ。優しい両親と大好きな弟の哲生と暮らす19歳の弥生。けれど、彼女はあることに薄々気付き始めていた・・・。どこか変わった、けれど美しいおばのゆきの。弥生はある日家出をしてゆきのの家を訪ねる。その時には、弥生はもう確信していた。ゆきのはおばではなく、弥生の姉だと。今までずっとおばだと...

たとえ面白くても二度と読み返さない本もあれば、折に触れて読み返す本もあります。私にとって武田百合子の『富士日記』は、後者。ふと読みたくなって、上・中・下、どの巻でもいいから適当に手に取り適当なページを開いて好きなところを読むのです。もともとこの『富士日記』の存在を知ったのは数年前に雑誌『ダ・ヴィンチ』の何かの特集で紹介されているのを読んだのがきっかけでした。かなりうろ覚えですが、昭和40年代当時の物...

藤原伊織の短篇集『雪が降る』の感想で、私の好きな短篇のひとつに挙げたのが『紅の樹』でした。『紅の樹』は、元ヤクザの堀江徹という男が主人公のハードボイルド。『雪が降る』の黒川博行が書いた解説に「『てのひらの闇』はこの作品をもとにして書かれたのだろう。」とあったので、この『てのひらの闇』をいずれ読みたいと思っていました。『てのひらの闇』の主人公はタイケイ飲料宣伝部課長の堀江雅之。しかし、経営状態が思わ...

3月発売予定の文庫本をチェックしました。うーん、3月は私が買いたいと思う文庫が少ない・・・。光文社文庫から佐藤正午のエッセイ集『豚を盗む』。3月12日発売予定。『ありのすさび』(アマゾンだと文庫のタイトルはなぜか『ありのさすび』になっていました。そのうち訂正されるのでしょうか?)、『象を洗う 』に続く文庫化。佐藤正午さんの小説も読んだことはあるのですが、いまいちピンときませんでした。私はエッセイの方が好き...

川上弘美のエッセイが好きだと以前『あるようなないような』の感想(コチラ)の時に書きましたが、この『ゆっくりさよならをとなえる』も好き。どこが好きかというと、本や漫画の話が出てくるところだったりします。そういう意味では三浦しをんのエッセイも同じかなぁ。この『ゆっくりさよならをとなえる』は様々な新聞・雑誌に連載された文章を集めたエッセイ集。通底するのは、たぶん「本のこと」と「まごまごした感じ」なんだと...