1月の新刊文庫の中で最も楽しみにしていた乃南アサの女刑事音道貴子シリーズ『風の墓碑銘(エピタフ)〈上〉』、『風の墓碑銘(エピタフ)〈下〉』それにこちらもいずれ読みたいと思っていた藤原伊織の『てのひらの闇』がアマゾンから到着しました。なにぶん田舎に住んでいるので、近所の書店では新刊文庫の発売日が2~3日遅れるのなんて当たり前なので、アマゾンで注文しちゃった方が早いのです。それに近所にある書店は小さくて、欲...

私が初めて読んだ西澤保彦の小説『七回死んだ男』。今回久しぶりに読み返して、やはり面白かった!主人公の大庭久太郎は現在十六歳の高校一年生。実は彼はある変わった“体質”の持ち主だった。それは、同じ一日を9回繰り返すという“反復落とし穴”という現象。この現象を認識しているのは久太郎だけなので、久太郎が何かアクションを起こさない限り周囲の人間は同じ会話、同じ行動を繰り返すだけ。ただ、この“反復落とし穴”がいつ起...

江戸川乱歩賞と直木賞をW受賞した藤原伊織の『テロリストのパラソル』を読んで、そのハードボイルドな世界にすっかりやられてしまった私。すぐに他の作品も!と思って手に取ったのが、この『雪が降る』でした。私は好きな本を何度も読み返すタイプ。本当は一番好きな藤原伊織作品である『テロリストのパラソル』を再読したかったのですが、友人に貸し出していて手元にありません・・・。そこで、タイトルが今の時期にピッタリな『雪が...

まず『辺境・近境』というタイトル、そしてノモンハン戦争の跡地にうち捨てられた戦車の上でポーズを決めている文庫のカバー写真から何やら御堅い旅行記かと身構えそうになりますが、読んでみたらそうでもなく、『無人島・からす島の秘密』や『讃岐・超ディープうどん紀行』などはまるで椎名誠のエッセイのようなお気楽さが漂っています。日本に留まらず、イースト・ハンプトン、メキシコ、ノモンハン、アメリカ大陸横断など、世界...

村上春樹の初の短篇集『中国行きのスロウ・ボート』には表題作『中国行きのスロウ・ボート』をはじめ『貧乏な叔母さんの話』、『ニューヨーク炭鉱の悲劇』、『カンガルー通信』、『午後の最後の芝生』、『土の中の彼女の小さな犬』、『シドニーのグリーン・ストリート』の全7篇が収録されています。どの短篇もどこか不思議で、輪郭がハッキリとしない、いかにも村上春樹の初期の作品っぽい雰囲気。たとえば『貧乏な叔母さんの話』...

女優の小林聡美さんが書くエッセイが大好きで、幻冬舎文庫から出ているエッセイはほとんど全部読みましたし、よく読み返します。飾らない言葉で書かれていて、とにかく笑えるエッセイなのです。読みながら時々声を出して笑ってしまうので、小林聡美のエッセイは絶対に家の中でしか読めません(笑)どのエッセイも面白いのですが、私の一番のお気に入りは小林聡美さんが憧れの留学を実現させた体験記『キウィおこぼれ留学記』。ただ...

初めて読んだ新田次郎の小説『孤高の人』で私はすっかり新田次郎が描く世界に引き込まれてしまいました。『八甲田山死の彷徨』もやはり夢中になって読みました。新田次郎の小説の多くがそうであるように、この『八甲田山死の彷徨』も実話を基にした小説です。しかし、あくまでも小説でありノンフィクションではありません。日露戦争の開戦がいよいよ現実味を帯びてきた明治35年、日本陸軍は日露戦争開戦に備え、万一鉄路及び道路が...

じっくり読むつもりだったのに、読み始めたらあっという間に引き込まれてしまい、結局昨日、今日の2日で読み終えてしまいました。横山秀夫の小説を読むのは、この『クライマーズ・ハイ』が初めてでした。1985年8月、群馬県の御巣鷹山に日航のジャンボ機が墜落。主人公の悠木は地元紙、北関東新聞、「北関」の記者。悠木は、地元で起きたこの世界的大事故の全権デスクに任命される。しかし、悠木はまさにその日、同僚で登山仲間の安...

私は江國香織の小説では、どちらかというと恋愛小説よりも家族あるいは友情などを描いた作品の方が好きです。この『こうばしい日々』には表題作『こうばしい日々』と『綿菓子』という2篇の中篇が収録されています。私は、特に表題作『こうばしい日々』が好きで、何度も読み返しています。『こうばしい日々』の主人公大介は11歳。父親の転勤で、両親と大学生の姉麻由子の家族全員でアメリカで暮らしている。大介と麻由子は歳が離れ...

文庫化されたら絶対読むぞっ!と思っていた横山秀夫の『クライマーズ・ハイ』。でも、文庫化されてから今まで結局買わないまま・・・。そうこうしているうちに堤真一主演で映画化され、そして今月はとうとうその映画のDVDまでリリースされてしまいました。まだ映画は観ていませんが、いずれDVDをレンタルしたいと思っているので、映画を観る前に原作を読んでおきたいと思い、久しぶりにアマゾンでなく近所の小さな本屋で文庫本を購入...