伊坂幸太郎の『終末のフール』や堀江敏幸の『もののはずみ』などの新刊文庫と他の何冊かの文庫本をアマゾンで注文していて、今はそれが届くのを楽しみに待っているところです。積読本もないので、久しぶりに山本周五郎の『赤ひげ診療譚』を再読しました。山本周五郎の作品はそれほどたくさん読んでいるわけではありませんが、この『赤ひげ診療譚』は好きな作品のひとつです。『赤ひげ診療譚』は、「狂女の話」、「駆込み訴え」、「...

よしもとばななの『チエちゃんと私』、これ好きです。先日買った文庫3冊(他2冊は長嶋有の『夕子ちゃんの近道』と角田光代の『しあわせのねだん』)はどれも私にとってはアタリでした。『チエちゃんと私』は、私の好きなよしもとばなな作品のひとつ『海のふた』に似ている気がします。主人公のカオリは四十ニ歳、従妹のチエちゃんは三十五歳。二人が一緒に暮らし始めて六年になる。チエちゃんの母親、つまりカオリのおばさんが亡く...

そろそろ好きな作家リストに入れないとなぁと思っている横山秀夫の小説『臨場』読みました。ドラマ化されて4月から放送が始まると知り、ドラマを観る前に原作を読んでおかなきゃ、なんて思って読んだのですが、これがまた面白かった!個人的には『第三の時効』の次に好きです。警察組織でいう「臨場」とは、事件現場に臨み、初動捜査に当たること。この『臨場』には、『赤い名刺』、『眼前の密室』、『鉢植えの女』、『餞』、『声...

すっかりハマってしまった横山秀夫作品。『陰の季節』に続けて『動機』も読みました。この『動機』には表題作の他『逆転の夏』、『ネタ元』、『密室の人』など四篇が収録されています。読む前はてっきり収録作品の全てが『陰の季節』、『第三の時効』のように連作形式の警察小説だと思っていたのですが、違っていました。警察小説と言えるのは表題作の『動機』のみ。U署で一括保管していた三十冊の警察手帳が紛失してしまう。警察...

あっという間に読んでしまいました。横山秀夫の『陰の季節』。この『陰の季節』は表題作の他、『地の声』、『黒い線』、『鞄』の4篇を収録した短篇集です。私がこの本を読む前に読んだ横山作品『第三の時効』と同じく地方の県警が舞台。この『陰の季節』ではD県警。また、それぞれの短篇で主役が変わるという設定も同じ。最初に収録されている表題作『陰の季節』の主役は警察の人事を担う警務課の警務課調査官二渡真治。この二渡が...

横山秀夫の小説を読むのは『クライマーズ・ハイ』に続いて2作目。そして早くも2作目にして、果たしてこの『第三の時効』を超える横山作品があるのだろうかと心配になるほど、最高に面白い小説を読んでしまったという気がしています。じっくり読もうと思ったのに面白すぎて一気に読んでしまいました。『第三の時効』は表題作を含む全六篇の連作短篇集。各短篇で代わる代わるメインをつとめるのは常勝軍団と呼ばれるF県警強行犯の面...

何度目かの再読。よしもとばななは好きな作家、よく読み返すのは初期の作品が多いです。この『哀しい予感』は特に好きな作品のひとつ。優しい両親と大好きな弟の哲生と暮らす19歳の弥生。けれど、彼女はあることに薄々気付き始めていた・・・。どこか変わった、けれど美しいおばのゆきの。弥生はある日家出をしてゆきのの家を訪ねる。その時には、弥生はもう確信していた。ゆきのはおばではなく、弥生の姉だと。今までずっとおばだと...

じっくり読むつもりだったのに、読み始めたらあっという間に引き込まれてしまい、結局昨日、今日の2日で読み終えてしまいました。横山秀夫の小説を読むのは、この『クライマーズ・ハイ』が初めてでした。1985年8月、群馬県の御巣鷹山に日航のジャンボ機が墜落。主人公の悠木は地元紙、北関東新聞、「北関」の記者。悠木は、地元で起きたこの世界的大事故の全権デスクに任命される。しかし、悠木はまさにその日、同僚で登山仲間の安...

私の手元にある文庫の帯には次のように書いてあります。これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。なるほど、そうなのか。そういえば、以前、雑誌『ダ・ヴィンチ』(2004年5月号)で『ハチミツとクローバー』でおなじみのマンガ家羽海野チカさんが、この『デッドエンドの思い出』について寄稿していたなぁ。『デッドエンドの思い出』は、表題作をはじめとする全5...

『キッチン』を読むとカツ丼を食べたくなる・・・そんな感想をあちこちで目にしていたけれど、中学生の時に一度『キッチン』を読んでいた私にはカツ丼がどこで登場したのかすら覚えていませんでした。『アムリタ』を読んで、「よしもとばなな面白いかも」と思って次に再読したのが『キッチン』。こんな話だったんだ。すっかり内容を忘れていました。私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。という一文で始まる『キッチン』。...