中井英夫の『虚無への供物』を久しぶりに再読。 最初に『虚無への供物』を読んでみたいと思ったのは、青木るえかのエッセイに『虚無への供物』のことが書いてあったのを読んで面白そうだと思ったから。その後もWEB本の雑誌の「作家の読書道」というコーナーで恩田陸さんが「中井英夫さんの『虚無への供物』は小学6年生で読んだのですが、今でも年1回は読みたくなりますね。」とおっしゃっていたり、同じく「作家の読書道」で三浦...

一番楽しみにしていた4月発売の新刊文庫、長嶋有の『夕子ちゃんの近道』。読書の喜びを感じさせてくれる小説でした。ここ最近に読んだ本の中ではダントツで大好きです!今までの私の長嶋有作品No.1は『ジャージの二人』でしたが、『夕子ちゃんの近道』がNo.1になりました。フラココ屋という西洋アンティーク専門店のアルバイトに雇われた主人公の僕。僕は倉庫代わりに使われているフラココ屋の二階に住んでいる。箪笥や鏡台、絵画...

野田知佑の本を読むようになったきっかけは、その名前を椎名誠のエッセイでたびたび目にしていたから。それに動物好きの私としてはカヌー犬として知られる野田さんの相棒ガクの存在も気になっていました。野田さんの著書はいろいろ読みましたが、私が一番好きなのは『ユーコン漂流』です。この『ユーコン漂流』は文字通りカナダとアラスカを流れるユーコン川をカヌーで下る旅についてのエッセイで、野田さん自身がこの旅を心から楽...

お気に入りのシリーズ作品、乃南アサの女刑事音道貴子シリーズ久々の長篇『風の墓碑銘』がようやく文庫化されました!土日を使って早速読みました。土曜の夜から読み始めたのですが、あとちょっと、もうちょっと・・・と思いながら読んでいるうちにとうとう朝4時をまわってしまいました。築五十年は超えていると思われる木造家屋の解体現場から出てきたのは、どうやら人間のものらしい骨。現在隅田川東署の所轄署員として勤務している...

私が初めて読んだ西澤保彦の小説『七回死んだ男』。今回久しぶりに読み返して、やはり面白かった!主人公の大庭久太郎は現在十六歳の高校一年生。実は彼はある変わった“体質”の持ち主だった。それは、同じ一日を9回繰り返すという“反復落とし穴”という現象。この現象を認識しているのは久太郎だけなので、久太郎が何かアクションを起こさない限り周囲の人間は同じ会話、同じ行動を繰り返すだけ。ただ、この“反復落とし穴”がいつ起...

初めて読んだ新田次郎の小説『孤高の人』で私はすっかり新田次郎が描く世界に引き込まれてしまいました。『八甲田山死の彷徨』もやはり夢中になって読みました。新田次郎の小説の多くがそうであるように、この『八甲田山死の彷徨』も実話を基にした小説です。しかし、あくまでも小説でありノンフィクションではありません。日露戦争の開戦がいよいよ現実味を帯びてきた明治35年、日本陸軍は日露戦争開戦に備え、万一鉄路及び道路が...

1月に乃南アサの女刑事音道貴子シリーズの『風の墓碑銘』(上)・(下)が文庫化されるということもあり、久しぶりにシリーズ第1弾となる『凍える牙』を読み返しました。このシリーズの作品の中では、やはりこの『凍える牙』が私は1番好きです。深夜のファミリーレストランで、突然客の男が炎に包まれ、一瞬にして火だるまに。店員も他の客も一体何が起きたのか分からないまま、パニック状態で店の外に逃げ出した。警視庁機動捜査...

長嶋有の小説では『ジャージの二人』が1番好きなのですが、恋愛をテーマにしたものの中ではこの『泣かない女はいない』が断然好きです。表題作『泣かない女はいない』と『センスなし』の2作品が収録されています。特に『泣かない女はいない』がいいんです。埼玉県の郊外にある小さな会社の事務として働く睦美。睦美には一緒に暮らす恋人がいるのだが最近は何だかだらだらした関係になってしまっていた。そんな中、睦美は同じ会社で...

表題作『タンノイのエジンバラ』の他、『夜のあぐら』、『バルセロナの印象』、『三十歳』を収録した作品集。長嶋有の小説は私にとってはどれもこれもハズレがなく、全部アタリと言ってもいいくらい好きな作品ばかり。1番は以前書いた通り『ジャージの二人』なのですが、その他の作品もかなり気に入っています。どの作品もガツン☆という即効性はないけど後からじわじわ~っと効いてくる、そんな感じなんです。表題作『タンノイの...

梨木香歩の小説で好きなのはと言ったら、私は『西の魔女が死んだ』と『家守綺譚』。『西の魔女が死んだ』は映画化されましたね。何だか最近小説の感想を書く度に映画化の事を書いているような・・・。それくらい小説の映画化が頻繁なんですよね。私は『西の魔女が死んだ』の映画は観ていないのですが、パパ役が大森南朋だと知ったらちょっと観てみたくなりました。すぐに読み終えてしまえるくらい短い小説なので、久しぶりに『西の魔...