江國さんの作品は好きで小説だけでなくエッセイなどもほとんど読んでいるのですが、そんな中でこの『神様のボート』はそれほど好きな小説ではありませんでした。だけど、今回何となく再読してみたら、前に読んだ時よりも好きになりました。-どうして引越しばかりなの?ママはあたしの髪に何度も唇をつけながら、-ママも草子も、神様のボートにのってしまったから。と言ったのだった。『神様のボート』は、葉子と草子という母娘の...

江國香織の『ホリー・ガーデン』を久しぶりに再読。前に読んだ時も、この小説好きだなぁと思ったけれど、再読してもやっぱりよかった。眼鏡屋で働く果歩と、美術教師の静枝。二人は幼なじみで親友。果歩は5年ちかく前に別れた恋人津久井のことを忘れられずにいる。それは未練というのとは違っているのだけれど、とにかく津久井のこと、表情や着ていた服まで今でもはっきりと覚えている。そんな果歩を心配する一方で新しい恋に踏み...

私は江國香織の小説では、どちらかというと恋愛小説よりも家族あるいは友情などを描いた作品の方が好きです。この『こうばしい日々』には表題作『こうばしい日々』と『綿菓子』という2篇の中篇が収録されています。私は、特に表題作『こうばしい日々』が好きで、何度も読み返しています。『こうばしい日々』の主人公大介は11歳。父親の転勤で、両親と大学生の姉麻由子の家族全員でアメリカで暮らしている。大介と麻由子は歳が離れ...

結婚して10年になる日和子と逍三。子供はおらず夫婦二人の生活。もちろん、もう新婚とは呼べない、かと言って日和子には落ち着いた夫婦というふうにも感じられない。ただふわふわと漂っている。ただふわふわと、寄る辺もなく。これは、『赤い長靴』の冒頭にある日和子が自分たち夫婦の関係を表現した言葉なのですが、私もこの本を読み終えて納得しました。夫婦二人の生活の中で、日和子には、自分の言葉が逍三には通じていない、自...

私は本来ファンタジーなお話が好きではありません。そもそも自分の中に乙女チックな部分なんてこれっぽっちもないですし。それでも、江國ファンだし文庫化されれば読まずにはいられないですからこの『すきまのおともだちたち』だってちょっと迷いはしましたが発売後すぐに買いました。新聞記者の「私」が取材で訪れた街で道に迷い、やがて小さな女の子に出会う。その女の子は小さい(9歳)のに両親はおらずたった1人で暮らしている...

江國香織の小説も好きだけどエッセイも好きです。小説とエッセイだと雰囲気が違う作家もいますが、江國さんの場合はわりと小説の雰囲気そのまんまな感じで、ふんわりとしたエッセイ。この『とるにたらないものもの』は『緑いろの信号』、『輪ゴム』、『レモンしぼり器』、『煙草』、『小さな鞄』など江國さんにとって「とるにたらないけれど、欠かせないもの。気になるもの。愛おしいもの。忘れられないもの。」について綴られたエ...

江國香織の作品も小説、エッセイ問わず好きで文庫化された作品ならほぼ全作品コンプリートしてます。『間宮兄弟』も文庫化を楽しみにしていました。文庫化前にどうしても読みたい本は、図書館で借りて読み面白かったら文庫化された時に買うというのが私の基本的な読書スタイルなのですが、『間宮兄弟』は映画化された影響もあってか読みたいと思った時に貸し出し中で予約も多かったので諦めて文庫化をただひたすら待ちました。そし...