ローレンス・ブロックのマット・スカダーシリーズ5作目となる『八百万の死にざま』。シリーズの1作目と2作目は読んだのですが、3、4作目は飛ばして『八百万の死にざま』を読みました。この『八百万の死にざま』はマット・スカダーシリーズの最高傑作だという評判だったので、早く読みたかったのです。ところが、いざ読み始めてみると思いのほか作品に入り込めず、一気に読むというより毎日ちょっとずつ読み進めていくという感じで、...

中井英夫の『虚無への供物』を久しぶりに再読。 最初に『虚無への供物』を読んでみたいと思ったのは、青木るえかのエッセイに『虚無への供物』のことが書いてあったのを読んで面白そうだと思ったから。その後もWEB本の雑誌の「作家の読書道」というコーナーで恩田陸さんが「中井英夫さんの『虚無への供物』は小学6年生で読んだのですが、今でも年1回は読みたくなりますね。」とおっしゃっていたり、同じく「作家の読書道」で三浦...

そろそろ好きな作家リストに入れないとなぁと思っている横山秀夫の小説『臨場』読みました。ドラマ化されて4月から放送が始まると知り、ドラマを観る前に原作を読んでおかなきゃ、なんて思って読んだのですが、これがまた面白かった!個人的には『第三の時効』の次に好きです。警察組織でいう「臨場」とは、事件現場に臨み、初動捜査に当たること。この『臨場』には、『赤い名刺』、『眼前の密室』、『鉢植えの女』、『餞』、『声...

すっかりハマってしまった横山秀夫作品。『陰の季節』に続けて『動機』も読みました。この『動機』には表題作の他『逆転の夏』、『ネタ元』、『密室の人』など四篇が収録されています。読む前はてっきり収録作品の全てが『陰の季節』、『第三の時効』のように連作形式の警察小説だと思っていたのですが、違っていました。警察小説と言えるのは表題作の『動機』のみ。U署で一括保管していた三十冊の警察手帳が紛失してしまう。警察...

あっという間に読んでしまいました。横山秀夫の『陰の季節』。この『陰の季節』は表題作の他、『地の声』、『黒い線』、『鞄』の4篇を収録した短篇集です。私がこの本を読む前に読んだ横山作品『第三の時効』と同じく地方の県警が舞台。この『陰の季節』ではD県警。また、それぞれの短篇で主役が変わるという設定も同じ。最初に収録されている表題作『陰の季節』の主役は警察の人事を担う警務課の警務課調査官二渡真治。この二渡が...

お気に入りのシリーズ作品、乃南アサの女刑事音道貴子シリーズ久々の長篇『風の墓碑銘』がようやく文庫化されました!土日を使って早速読みました。土曜の夜から読み始めたのですが、あとちょっと、もうちょっと・・・と思いながら読んでいるうちにとうとう朝4時をまわってしまいました。築五十年は超えていると思われる木造家屋の解体現場から出てきたのは、どうやら人間のものらしい骨。現在隅田川東署の所轄署員として勤務している...

ローレンス・ブロックのマット・スカダーシリーズ第二弾『冬を怖れた女』。第一弾の『過去からの弔鐘』の感想(コチラ)で、渋いスカダーと、作品に漂う暗さが好きだと書きましたが、この『冬を怖れた女』では、そのスカダーの渋さが薄れて、甘くなっちゃってます。ある女性に一目惚れしてしまうんです。しかも、都合よく相手もスカダーに会った瞬間に惹かれているという状況。悪くはないのですが、もうちょっとクールなスカダーで...

ロス・マクドナルドの名前を知ったのは、村上春樹の『象工場のハッピーエンド』の中でだったと思います。ちょうど私が村上春樹にどっぷりハマっていた時で、村上春樹が好きだというロス・マクドナルドのリュウ・アーチャーものを是非読んでみたいと思って、あれこれ調べたところ、様々なミステリーガイドブックなどでも紹介されていた『さむけ』が一番面白そうだったので、早速読んでみることに。普段はシリーズものだと、まずは第...

1月に乃南アサの女刑事音道貴子シリーズの『風の墓碑銘』(上)・(下)が文庫化されるということもあり、久しぶりにシリーズ第1弾となる『凍える牙』を読み返しました。このシリーズの作品の中では、やはりこの『凍える牙』が私は1番好きです。深夜のファミリーレストランで、突然客の男が炎に包まれ、一瞬にして火だるまに。店員も他の客も一体何が起きたのか分からないまま、パニック状態で店の外に逃げ出した。警視庁機動捜査...

江國香織の『泣く大人』に収録されている『くつろぎの時間』というエッセイに以下のようなくだりがありました。お風呂の中で読み耽る推理小説。実際、これ以上の幸福はない。フレデリック・ブラウン、クレイグ・ライス、T・J・マグレガー、フェイ・ケラーマン。みんな、お風呂で読んだ。ジョイ・フィールディングも、パトリシア・コーンウェルも。私は、これを読んでクレイグ・ライスという作家がいるということを知ったのです。さ...